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ヌメ革とは?特徴と注意点を徹底解説

2025/10/20
ヌメ革とは?特徴と注意点を徹底解説

革製品をしらべていると「ヌメ革」という単語を目にすることはありませんか?
財布やベルト、バッグ、キーケースなど、さまざまな革製品に使われる素材ですが、「名前は知っていても、どんな革なのかはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ヌメ革の特徴や魅力、そして使用する際の注意点について詳しく解説します。
革製品OEMを手がける株式会社フジリュウの視点から、素材としての魅力と扱い方のコツをお伝えします。

ヌメ革とは?

ヌメ革とは、植物の渋(タンニン)を使って鞣した牛革のことを指します。
「タンニン鞣し革」の中でも、染色や塗装をほとんど施さず、革そのものの表情を残したものがヌメ革です。

最も自然に近い状態の革であり、革本来の風合いや経年変化(エイジング)を楽しむことができる素材なのです。

ヌメ革の特徴と魅力

革の表情が活きるナチュラルな質感

ヌメ革は化学薬品や顔料などで加工しないため、革本来の血筋やシワ、毛穴などの表情がそのまま残ります。
このナチュラルな風合いこそが、他の素材にはない一点モノの魅力なのです。

職人や皮革好きの間では「革本来の個性を感じられる素材」として評価されています。

 

経年変化(エイジング)が美しい

ヌメ革の最大の特徴は、使い込むほどに艶や色の深みが増す「経年変化(エイジング)」です。
未使用の状態だとマットな肌色ですが、手の脂や太陽光で色に深みが増していきます。

数か月使用するとツヤのある深いアメ色に変化していきます。

ヌメ革の半年間仕様イメージ

 

丈夫で長く使える

ヌメ革は繊維の密度が高く、非常に丈夫です。
タンニン鞣しによって引き締まった繊維構造を持つため、多少の擦れや曲げにも強く、しっかりとしたコシがあります。
そのため、長年使用しても型崩れしにくく、使うほどにしなやかさと艶が増していきます。

 

使う人によって育ち方が変わる

同じ製品でも、使う人の触れ方・環境・ケア方法によって、異なる色や質感に育ちます。
これは、顔料で塗り固められていないヌメ革ならではの特徴。
世界にひとつしかない「自分だけのエイジング」を楽しめるのは、機械的に仕上げられた合成皮革などにはない魅力です。

ヌメ革の保管方法|長く使うには

ヌメ革を美しく育てるためには、定期的なメンテナンスがオススメ。
難しい作業は不要ですが、ほんの少しの手間で長く美しい状態を保てます。

  1. ブラッシング:ホコリを落とすため、馬毛ブラシで優しくブラッシング。
  2. 乾拭き:柔らかい布で表面を乾拭きします。
  3. 保湿ケア:数か月に一度、専用クリームを薄く塗布。乾燥やひび割れを防ぎます。
  4. 防水対策:外出前や梅雨時期は、防水スプレーを軽く吹きかけると効果的。

定期的なケアによって、ヌメ革はより深く、より艶やかに育っていきます。

ヌメ革を扱う際の注意点|デメリット

水や汚れに弱い

ヌメ革は、表面にコーティングを施していないため、水滴や油染みがつきやすい素材です。
雨や汗が付着すると、その部分だけが濃く変色、シミになってしまうことがあります。

濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布で軽く押さえ、陰干しして乾かしましょう。

 

日焼け・酸化による変色

ヌメ革は光や空気に反応し、自然に日焼けしていく素材です。
この変化を「味」として楽しむ方も多いですが、ムラなく育てたい場合は、日差しの強い場所に長時間置かないよう注意が必要です。

最初は白っぽい色でも、数か月〜1年ほどで自然に飴色に変わっていきます。

 

傷がつきやすい

コーティングのない素上げ革のため、爪や金属などのちょっとした摩擦でも跡が残ることがあります。
軽い擦り傷なら、乾いた布で軽くこすると自然に馴染み、目立たなくなります。

ヌメ革を活かしたOEM製作

フジリュウでは、ヌメ革を使用した革製品のOEM製作も手掛けています。
財布やパスケース、その他ノベルティなど素材を活かした幅広い製品づくりを行っています。

ヌメ革はその特性上、使う人のストーリーを宿す素材でもあります。
時間とともに変化し、愛着が深まる革だからこそ、長期的なブランディングアイテムにも最適です。

まとめ

ヌメ革は、自然な風合い、経年による美しい変化、そして使う人の手によって育つ楽しみがある素材です。

革本来の魅力を大切にするフジリュウでは、素材選定から仕上げまで丁寧なモノづくりを心がけています。
「長く使える革製品をOEMで作りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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