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素材解説

イタリアンレザーとは?|特徴や種類について徹底解説

2025/05/08

数多く種類のある革の中でも人気のある「イタリアンレザー」。日本国内でも財布やバッグなど様々な製品に広く使われている素材ですが、そんなイタリアンレザーにも様々な種類があるのをご存じでしょうか。

今回はイタリアンレザーの特徴や種類、歴史などについて解説いたします。

イタリアンレザーとは?

イタリアンレザーとは、その名の通りイタリアで製造された革のことを指します。
主にトスカーナ地方
のタンナー(革の製造工場)で盛んに製造されており、ベジタブルタンニン鞣しやバケッタ製法などが有名です。

経年変化が特徴的で、使い込むほどに艶や色に深みが増していきます。

イタリアンレザーはブライドルレザー、コードバンに並ぶ世界三大レザーの一つに数えられており、世界的にポピュラーな革素材のひとつです。

 

バケッタ製法

イタリアンレザーの製造方法は、植物性のタンニンでじっくりと時間をかけて鞣し、さらに牛脂や魚脂で加脂する伝統的な鞣し方「バケッタ製法」が主流です。

他の鞣しよりはるかに時間と手間がかかるため一時は衰退の一途をたどっていましたが、イタリアの老舗タンナーによって復活しました。

イタリアンレザーの種類

イタリアンレザーにはイタリア植物タンニン鞣し革協会に認定されたタンナーにのみ使用が許される「Pelle Conciata al Vegetale in Toscana」の商標とその品質が保証されている革があります。どれもバケッタ製法によって鞣された革ですが各タンナーによって特徴は様々です。その代表的な革をいくつかご紹介します。

ミネルバボックス(バダラッシカルロ社)

通常厚くてかたいタンニン鞣し(ヌメ革)ですが、バケッタ製法により十分にオイルが染み渡った革をさらに揉み込むことで、自然なシワが生まれコシがある中でもソフトなヌメ革になります。シュリンクレザーのようなシボ感が特徴です。

 

マヤ(イルポンテ社)

全体的に白いムラがあり、色が淡く革表面が毛羽立ちしているのが特徴的です。
あえて毛羽立ちさせる加工が施されている革ですが、使い込むほどにその毛羽立ちが落ち着き、艶と色の深みが増していきます。
はっきりとした経年変化が出る為、他の革と違った楽しみ方ができます。

 

ブッテーロ(ワルピエ社)

成牛の肩を使用した、ハリとコシが特徴的なレザー。
表面はシンプルなテクスチャで、凹凸が少ないため、手触りを楽しむことができます。
部位の希少性、「ヌメ革の王様」と称されています。

イタリアンレザーの特徴

経年変化を楽しむことができる

バケッタ製法でなめされたイタリアンレザーは、そのタンニンとオイルによって非常に美しい経年変化(エイジング)をしていきます。
使い込むほどに艶と色の深みが増し、手になじむ手触りに変化していきます。

 

ナチュラルな風合い

顔料を塗布しないナチュラルな仕上げのレザーが多く、革本来のシボや血筋、色むらなどが活かされています。
イタリアンレザーを使用した製品は、一つ一つ違った個性があるのが特徴的です。

 

協会によって守られる高い品質

イタリアンレザーは、トスカーナにあるイタリア植物タンニン鞣し協会によって品質が守られています。その協会が定めた生産規則に準じて製造されたレザーにのみ、品質マークが与えられます。

イタリアンレザーが持つ品質と高級感は、製品に付加価値を与えることができます。

イタリアンレザーの歴史

イタリアンレザーの歴史は、古代ローマ時代にまでさかのぼります。当時、革は兵士のサンダルや盾といった軍需品だけでなく、日常生活にも幅広く活用されていました。

やがて8世紀頃になると、現在も受け継がれている伝統的な製法「バケッタ製法」が確立され、イタリア革の品質の礎が築かれます。

ルネサンス文化が花開いた14世紀から16世紀には、トスカーナ地方を中心に革産業が急速に発展します。絵画や彫刻と並ぶ芸術表現の一つとして、革製品も高い評価を受けるようになりました。

その後、19世紀の産業革命によって製造工程の機械化が進み、イタリアンレザーの生産効率は飛躍的に向上。国際的な輸出が本格化し、世界中にその名が知られるようになります。

現在では、イタリアンレザーは「世界三大レザー」のひとつに数えられ、高品質で芸術性に富んだ革として、多くの革製品ブランドに愛されています。

フジリュウではイタリアンレザーを使用したOEM製作も承ります。

株式会社フジリュウでは、マヤを中心にイルポンテ社のイタリアンレザーを使用した革小物のOEM製作が可能です。小ロットからの対応も可能で、素材選びから本生産まで一貫サポートいたします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

イタリアンレザーは、表面テクスチャの美しさと独特な質感、経年変化の楽しさが魅力の高品質な革素材です。製品の品質やブランド力を高めたい方におすすめのレザーです。

OEMでイタリアンレザーを使った製品を検討されている方は、ぜひ株式会社フジリュウまでご相談ください。